炊飯器の種類や違いを徹底比較！｜特徴や選び方を紹介

炊飯器を選ぶ際に重要となるのは、種類です。炊飯器はマイコン・IH・圧力IH・ガスの4種類に分かれており、それぞれ加熱方式が違い炊き上がりにも差が出ます。さらにメーカーごとに独自に開発した技術を搭載したモデルを販売しているので、メーカーによる違いもあるのです。

炊飯器は一度購入したら6年～10年という長い間使用する家電ですので、買ってから後悔しないよう、用途に合っているかどうかしっかりと見極めましょう。

この記事では炊飯器の種類別に違いがわかるよう、それぞれのメリット・デメリットを比較しながらご紹介します。炊飯器の種類別におすすめ商品もご紹介しますので、購入を検討している方はぜひ参考にして役立ててください。

マイコン炊飯器は、電気式炊飯器の中では最も歴史が古くシンプル構造で扱いやすいという特徴があります。どのような仕組みでご飯を炊くのか、どんなメリット・デメリットがあるのかについて詳しく見ていきましょう。

マイコン炊飯器は、底部のヒーターで内釜を加熱します。コンロに内釜を乗せて加熱するイメージです。マイコンを導入したことにより、それまでの伝熱ヒーターだけの炊飯器にはできなかった保温が可能になりました。

構造がシンプルなため、リーズナブルな価格で購入できます。故障も少なく、お手入れもしやすいので初めて炊飯器を購入する方や、コスパ重視の方におすすめです。

ただし、内釜の底部のみで加熱するため、全体に熱が行き届かず炊きムラができやすいというデメリットがあります。3合炊きや5合炊きもありますが、量が多くなるほどムラも目立つため3合以上を炊きたいときには不向きです。

【マイコン炊飯器のメリット】

• 価格が安く気軽に購入できる
• 故障が少なく手入れがしやすい

【マイコン炊飯器のデメリット】

• 火力が弱く炊きムラができやすい
• 大量炊きには不向き

IH炊飯器はIHにより内釜全体を加熱することで、マイコン式よりも炊きムラが少ないのが特徴です。IH炊飯器の詳しい仕組みや、メリット・デメリットについて解説します。

IH炊飯器のIHとは、Induction Heating（電磁誘導加熱）の略です。内釜と外釜の間にIHコイルを配置し、コイルに電流を流すと発生する電磁波で内釜全体を加熱してご飯を炊き上げます。メーカーによる違いはあるものの、内釜には熱伝導率に優れた素材を採用しているのもポイントです。

IH炊飯器にはインバーター回路（直流電流を交流電流に変換する回路）を搭載することで、細かい温度設定が可能になりました。ご飯を好みの食感に炊き分け、美味しさを保ちつつ長時間保温することもできます。家族の食事時間がバラバラで保温を活用したい方におすすめです。

内釜は頑丈な素材を採用しているため、どうしても重くなる傾向があります。内釜を出し入れする際に重くて扱いにくいと感じるかもしれません。性能がアップしている分価格も少し高めです。

【IH炊飯器のメリット】

• 高火力で内釜全体を包み込みムラなく炊き上げる
• 炊き分けや保温性能に優れている

【IH炊飯器のデメリット】

• 価格はやや高め
• 内鍋が頑丈な分重くて扱いにくい

圧力IH炊飯器は、電気式炊飯器の中では最もハイスペックなモデルです。どのような仕組みでどんなご飯が炊けるのか、メリット・デメリットについても詳しく見ていきましょう。

圧力IH炊飯器は、IHにさらに圧力をプラスしてより高火力で炊き上げるのが特徴です。お米一粒ずつに熱を通すことで、旨味と甘味を引き出し、もっちりとした食感に炊き上げることができます。

IHで全体に熱を加えさらに圧力をかけるので、玄米や雑穀米もふっくらと炊き上げるのがポイントです。もっちりとした食感を好む方におすすめ！機能性にも優れており、多彩な炊き分けも可能にしています。

もっちり炊き上げるのはメリットですが、硬いご飯が好きな方にはベチャっとしていて柔らかすぎると感じることがあるようです。価格が高めで種類が少ないので、選択肢は限られてしまいます。構造が複雑でパーツが多く、お手入れに手間がかかるのもデメリットです。

【圧力IH炊飯器のメリット】

• 圧力をかけることでもっちりとした食感に炊き上がる
• 炊き分けや早炊きなど機能が充実

【圧力IH炊飯器のデメリット】

• 価格が高い
• 人によっては食感の好みが分かれる
• パーツが多く手入れに手間がかかる

ガス炊飯器はご飯の美味しさを重視して選びたい方におすすめです。一度ガス炊飯器を使うと電気式炊飯器が使えなくなるとも言われています。ご飯の美味しさを重視したいのであれば、ガス炊飯器を選ぶといいでしょう。

ガス炊飯器の特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。

ガス炊飯器はその名の通り、ガスの直火でご飯を炊きます。電気式炊飯器よりも高火力で一気に炊き上げるので、土鍋のような炊き上がりになるのがポイント。ふっくらとしたツヤがあり、甘みも感じられ、冷めても美味しさが持続します。

同じお米でもガス炊飯器で炊くと美味しさが違うのを実感できるほどです。高火力で炊き上げるため、炊き上がりまでの時間も短く急いで炊きたいときにも向いています。短時間で炊けるので、光熱費の節約になるのもポイントです。直火なのでおこげもできるます。

ガス炊飯器はメーカーが限られるため数が少なく、デザインの選択肢も多いとは言えません。価格も電気炊飯器に比べると高めです。ガス栓が必要になるため、ない場合は取り付け工事が必要になり、導入には手間がかかります。炊飯のみの機能なので保温ができないのもデメリットです。

【ガス炊飯器のメリット】

• 高火力で一気に炊き上げるので土鍋のように美味しく炊ける
• 炊き上がりが早い
• おこげができる
• 電気代はごくわずかでガス代のみ

【ガス炊飯器のデメリット】

• 導入に手間と費用がかかる
• 選択肢が少ない
• 保温できない

炊飯できる容量をチェックすれば、何人分のお米を炊飯できるか判断可能です。具体的には、容量ごとに炊けるお米の量は以下のようになっています。

• 3合までなら1・2人分
• 5.5合までなら3人から5人分
• 8.5合までなら4人から6人分
• 10合までなら6人以上

一人暮らしで使う炊飯器を選ぶ際には3合まで炊ければ十分です。しかし、家族分のお米も炊ける炊飯器も取り入れたい方は6合ほどまで炊ける製品を選ぶのもおすすめ。

内釜の素材や形状を確認することで、どんな炊きあがりになるか・美味しく炊くための工夫があるかチェックできます。鉄・炭・アルミの素材を採用していれば均一に熱が伝わるため、白米の甘味・コク・うまみにこだわりたい方はしっかりと確認しましょう。

また、美味しさを長持ちさせる工夫が施された内窯であれば、保温時間を長くしてもご飯を美味しく味わいやすくなるのがポイントです。

炊飯器は使う頻度が高い家電なので、お手入れのしやすさをチェックすることも大切です。お米が張り付きづらいフッ素加工が施されているか・内蓋を取り外して丸洗いができるのかなどを確認しましょう。

また、クリーニング機能が付いた製品であれば自動でニオイや汚れを落ちやすい状態にできるため、手軽に手入れしやすくなるのが利点です。

メーカーごとの違いにも注目することで、より自身が扱いやすい・自分好みの炊きあがりになる製品を探せます。たとえば、

• 土鍋窯でお米の香り・弾力を引き出しやすいタイガー
• 激しい対流で炊き甘味を引き出してムラを抑えられる象印
• 備長炭の羽釜を使い大火力でふっくら炊ける東芝
• 熱効率の高さやお米の旨みを引き出すパナソニック
• 火加減を調整やスチームでふっくらと炊き上げる日立

といった違いがあるのがポイントです。同じメーカーでも機能性が異なることもあるため、下位モデル・上位モデルもチェックしましょう。

加熱方式や内釜の材質はもちろんですが、炊飯器は日々進化を続けています。ただご飯を炊くだけではなく、さまざまな便利機能の搭載されたモデルが多くなっています。たとえば、

• いつでも炊きたてを味わえる保温機能
• 炊きあがりの加減や玄米・雑穀米も最適に炊き上げる炊き分け機能
• 炊飯以外のさまざまな料理ができる調理コース機能
• 部屋に湿気をあふれさせない蒸気レス機能

などがあります。自分の用途に合った機能が搭載されているかをチェックしてみてください。

炊飯器は炊飯方式によって炊き上がりが異なります。他にも内釜の素材でも食感が変わりますし、炊飯量を家族構成に合わせるのも重要なポイントです。メーカーや性能も大切ですが、ライフスタイルに合っているかどうかも見極めながら、最適な炊飯器を見つけてください。