炊飯器メーカーの特徴を比較｜どこのメーカーがいい？壊れやすいメーカーや特徴は？

炊飯器は日本の食卓に欠かせない電化製品です。炊飯器の値段は幅が広く、近年の主流は2万円～4万円のミドルクラスと、美味しさを追求した5万円以上の炊飯器に大きく分かれています。特に5万円以上する高級炊飯器は各メーカーの技術が詰まった優れものばかりです。

実のところ、炊飯器の特徴はメーカーによって異なります。たとえば内釜の素材は炭・鉄・銅などに分かれ、さらに土鍋・ダイヤモンドなどでコーティングするタイプもあり多種多様。炊き上がり・保温状態にも個性が表われ、固めのごはんを長持ちさせたい場合に適した機種もあります。

本記事では国内炊飯器シェア率No,1の象印や、東芝・パナソニックなどの人気メーカーの炊飯器について特徴を徹底比較しました。「炊飯器はどこのメーカーがいい？」「壊れやすいメーカーはある？」と悩んでいる場合は、ぜひ本記事を参考にお役立てください。

1918年大阪で創業した「象印」は創業100年を超える老舗です。1974年に「電子ジャー炊飯器」を販売開始し、1979年に「マイコン電子ジャー炊飯器」、1988年に「IHジャー炊飯器」と常に業界をけん引してきました。

その間に蓄積された技術、経験からこだわりの釜や機能を追求したハイグレードな炊飯器、シンプルでお手頃な価格などさまざまなニーズに応えた炊飯器を発売しています。

人気機種の極め炊きでは「白米炊き分け3コース」を搭載。特に「かため」はしゃっきりとした固めのご飯を食べたい方にぴったりです。

タイガーは元々魔法瓶からスタートしたメーカーで、内釜の仕様にこだわった商品設計が特徴です。業界で初めて土鍋釜を採用した炊飯器メーカーとしても知られています。土鍋は本来IH炊飯には適していませんが、それでも土鍋釜を完成させたタイガーの技術力は特筆すべきです。

内蓋に採用した大小2つの圧力ボールで圧力をコントロールする「可変W圧力炊き」は、土鍋ご飯に限りなく近い味わいを目指して開発された独自技術です。金属の3倍～4倍の遠赤外線を発生させる土鍋素材を最大限活かし、相乗効果によって料亭さながらの銀シャリを提供します。

パナソニックといえば「おどり炊き」です。ご飯にこだわる方なら聞いたことがあるかと思いますが、以前はサンヨーが採用していた「おどり炊き」を吸収合併の際に技術者ごと引き抜き復活させました。

おどり炊きでおこめの「もちもち感」引き出した上、全国の50銘柄を専用コースで炊ける「銘柄炊き」で他メーカーを一歩リードしています。さまざまな便利機能を活用したい方には、パナソニックがおすすめです。

東芝の炊飯器は優れた保温性能に定評があります。「真空保温機能」は内釜に真空状態を作り出し、ご飯が固くなったり黄ばんだりするペースを大幅に遅らせる独自技術です。真空保温機能を使った場合、白米は最大40時間、エコ炊飯・玄米・白米混合・麦ごはん・雑穀米なら12時間の保温が可能です。

一日に何度も炊飯作業を行わずに済むため、多忙な方やまとめ炊きしたい方におすすめします。真空技術は炊飯にも活用されており、釜を真空状態にしてお米から空気を抜くことで吸水性をアップしています。東芝は、一度にたくさん炊いても美味しく保温したい方などにおすすめです。

日立の炊飯器は、金属製内釜の素材にとことんこだわった商品設計が特徴です。アルミ合金製の内釜底面に鉄の粒子を打ち込む特殊技術「超音速打込製法」を開発しました。底面全体で発生した熱を内釜にすばやく伝え、炊きムラを抑えます。

「超音速打込製法」を活かした圧力スチームIH炊飯器は、100℃以上の高火力で一気に過熱する豪快な仕様です。圧力をかけたまま加熱するため、お米のばらつきが少なく芯までもちもちになります。内釜の素材に対するこだわりは日々の手入れまでをカバーし、金属の強度を保ちつつ軽量化に成功しています。

三菱の炊飯器は今ではハイクラスの「備長　炭素釜」が有名です。純度99.9％の「炭」を内釜に採用しています。職人が1つづつ約100日かけて仕上がる本炭釜です。

コスト度外視で製造している高級炊飯器は、お米にこだわる方に絶大な人気を誇っています。そして炭とIHは相性が良く、丸ごと一気に発熱するので一粒一粒ふっくらしゃっきりです。噛めば噛むほど甘みが味わえるご飯が炊けます。本格的な釜のうまみを味わいたい方には、三菱の炊飯器がおすすめです。

【IHの特徴】

• 全体に熱が均等に伝わるので、ムラなく美味しく炊き上がる
• 炊きわけや保温など機能が充実している
• 価格帯もリーズナブルなモデルから高級モデルまで幅が広い

【こんな人におすすめ】

• シャッキリしたお米が好きな人
• 炊き上がりにこだわりたい人
• コスパのいい炊飯器が欲しい人

IH炊飯器は現在の炊飯器でも主流になっていますが、火力が強く全体に熱が均等に伝わるので、たくさんお米を炊いても炊きムラができにくいのが特徴です。価格の幅が広く、予算や用途に合わせた製品を選びやすいのもメリットです。

【圧力IHの特徴】

• 100度以上の高温で一気に炊き上げるので、ムラなく加熱できる
• 冷めてもおいしいご飯が炊ける

【こんな人におすすめ】

• もっちりふっくらとした食感が好きな人
• お弁当をよく作る人

IH方式にはこのような圧力タイプもあります。IH方式に圧力を加えて100度以上の高温で一気に炊き上げるため、ムラのない均一な仕上がりになります。もっちりふっくらとした食感が好きな方におすすめです。

以前はハイスペッククラスにだけ搭載されていた機能でしたが、今は1万円台のエントリーモデルにも搭載されるようになりました。「冷めてもおいしいご飯が炊ける」点がお弁当を作る方から人気な理由です。

【マイコンの特徴】

• 価格が安い
• シンプルな仕組みで使いやすい

【こんな人におすすめ】

• リーズナブルな炊飯器が欲しい人
• たまにしかご飯を炊かない人

マイコン方式はIH式に比べると加熱ムラができやすいのがデメリットです。しかし、シンプルな仕組みなのでコストが安く、炊飯器の価格帯としては6,000～12,000円ほどの低価格な機種が多くなっています。一人暮らしで休日にしか自炊をしない方には、3〜3.5合のマイコン炊きがおすすめです。

炊飯器の容量は家族の人数に合わせて選びましょう。一人暮らしなら1合～3合・2人～3人なら3合～5合、4人以上ならそれより大きいものがおすすめです。中サイズの茶碗に盛ったご飯がおよそ0.4合なので、これを目安に1日に炊く量を計算できます。

炊飯器は内釜の性能も重要です。内釜の素材・熱伝導性・厚みといった要素は炊飯の質を大きく左右します。また、メーカーごとに得意とする内釜が異なるのもポイントです。そこで今回は、内釜の主な種類・主として取り扱うメーカー・特徴を表にまとめました。商品を比較検討する際はぜひ内釜にも目を向けてください。

炊飯器の価値は炊飯量や火力といった基礎性能だけでは決まりません。基礎性能は搭載された「機能」によって活かされます。機能とは、炊飯器をより便利に活用するためのメニューやオプションです。

機能の代表的なものしては保温・蒸気抑制・炊き分け・調理が挙げられます。今や炊飯器は機械的にご飯を炊くだけでなく、どのように炊飯するか・炊飯後の運用をどうするかといった使い方も想定されているのです。主な機能について、説明付きの表をまとめましたのでご覧ください。

炊飯器は毎日使う家電なので、お手入れのしやすさも重視したいポイントです。洗う必要のあるパーツが少ない炊飯器や自動クリーニング機能がある炊飯器であれば、簡単なお手入れで面倒なこともしなくていいので洗うのも楽になります。

お手入れする作業は面倒なのでできればやりたくないですが、お手入れしなければ美味しいお米を食べられません。お手入れしやすい炊飯器であれば、洗う時間もできるだけ少なくて済みます。