炊飯器の内蓋の外し方｜パッキンを外してしまった時の付け方は？内蓋のみ交換できる？

炊飯器は一家に1台と言っても過言ではありません。昔と違い、ただご飯を炊くだけでなくお米の銘柄別に炊き方を変えたり、蓋の中で蒸し料理を作ったりできる機能がつくなど高機能なものが多くなりました。同時に内釜も進化しており、お手入れしやすい材質や加工が施されています。

そんな炊飯器の中で、内蓋（裏蓋）はあまり注目されない部分です。内蓋は蓋の内側についているパーツで、ほぼすべての炊飯器にあります。しかし、炊飯器にとってどんな役割があるのか、どんなお手入れが必要なのかがわからない謎多き部分です。

実は炊飯器にとって内蓋は重要な役割を担っているのです。そのため、汚れた・壊れた状態で使用するとさまざまなトラブルが起こります。そこで今回は、あまり知られていない内蓋の付け方や外し方、ゴムパッキンを外してしまった時・壊れた時の対処法をご紹介します。

炊飯器の内蓋には大きな役割が2つあります。1つめは、お米をおいしく炊き上げる役割です。内蓋があると炊くときに炊飯器内の圧力が高まり、ふっくらとしたお米に炊きあがります。

もう1つは炊飯器を清潔に保つ役割です。炊飯しているとき、炊飯器の中は蒸気が充満した状態になります。内蓋はこの蒸気を他の部分に漏らさないように、密閉性を高める機能を持っています。

また、汚れが付着しても内蓋は取り外して洗えるため、雑菌が増える前に洗えば炊飯器の中を衛生的に保てます。

炊飯器でご飯を炊くには、内釜は必須なのかが気になります。それに、内釜を毎回外して洗うのは面倒ですし、洗わなくてもいいのではないかと疑問も浮かびますよね。それぞれ詳しくみていきましょう。

実は、内蓋をセットしないままでも炊飯器は使えます。すぐに故障するといったトラブルはなく、お米の炊き加減も少しだけふっくら仕上がらない程度です。しかし、何より問題なのは衛生面で、お米の成分を含んだ蒸気が蓋に直接あたるため、上蓋の内側が汚れてしまいます。

上蓋は取り外せないものが多く、汚れがこびりついたらきれいに掃除するのは困難です。その結果、雑菌が繁殖して不衛生になり、体に悪影響を及ぼす可能性があります。また、内蓋がないと密閉性が下がるため炊飯器の本体内側部分に水蒸気が漏れ、結果的に故障の原因にもなります。

炊飯器の内蓋を洗わないと以下のような不衛生な状態になり、故障にもつながります。

• カビが生える

　　　炊飯時に発生する蒸気が内蓋につく

　　　そのまま放置すると雑菌が繁殖する

　　　ご飯の味も悪くなる

• ゴキブリが巣を作る

　　　ゴキブリは暗くて暖かいところを好む

　　　洗わないとお米もついたままのためゴキブリにとっては嬉しい条件が揃っている

• 炊飯器が故障する

　　　汚れが溜まったままになると正常に動作しなくなる

このような理由から、内蓋も毎回洗いましょう。

炊飯器の内蓋には、さまざまな種類と構造があります。メーカーによる違いのほかに炊飯器による違いもあるので、付け方と外し方はそれぞれの説明書・公式ホームページから確認してください。

炊飯器の中には、内蓋が分解できないものもあります。こちらは炊飯器に蓋がついた状態のまま掃除するので、外れるタイプの内蓋と掃除の仕方が少し異なります。内蓋が外れない機種のお手入れ方法については後ほどご紹介します。

＜内蓋の洗い方手順＞

1. 炊飯器から内蓋を取り外し、やわらかいスポンジで水洗いします。
2. 汚れがひどいときは台所用中性洗剤を使ってください。
3. 内蓋に付いている器具がある場合は一緒に洗います。スポンジで届かない部分は、やわらかい刷毛や綿棒などを使って汚れを落としてください。
4. 内蓋パッキンは無理に外すと修理が必要になる場合があるので、内蓋パッキンは外さないままで洗います。

＜内蓋掃除に使用できない道具＞

• 金属たわし
• ナイロンたわし
• スポンジの研磨粒子部分（ザラザラしている方）
• 漂白剤
• 磨き粉
• ベンジン

茶色くなったしつこい汚れや、水の中のカルキ分が付着した白い汚れは、重曹で落とせます。重曹は炊飯器自体に悪影響がなく、人体に対しても安全です。また、自然破壊を引き起こさない成分なので、安心して内蓋の掃除に使えます。用意するものと洗い方は以下の通りです。

＜用意するもの＞

• 重曹水（水100mlに対し重曹5gを混ぜて作る）
• キッチンペーパー

＜重曹を使用した洗い方手順＞

1. 重曹水にキッチンペーパーを浸し、炊飯器に貼り付ける
2. 大体30分、汚れがひどいときは1時間ほどそのまま放置する （長時間放置する際はキッチンペーパーが乾かないように気を付ける）
3. キッチンペーパーを剥がして、剥がしたキッチンペーパーで汚れを拭き取る
4. 最後に水拭きしてよく乾かしてから炊飯器に取りつける

内蓋が外れない炊飯器の掃除方法をご紹介します。

1. コンセントからプラグを抜き、電気が通っていない状態にします。
2. 固く絞った布で内蓋部分を拭きます。
3. 汚れがひどい時には重曹水を含ませたキッチンペーパーで拭きます。
4. ゴムパッキンの部分は取れないように軽い力でめくり水拭きします。

炊飯器から内蓋が外れない場合に気を付けるポイントは、水が垂れて他の部分を濡らさないようにする点です。水が機械部分に入ると故障の原因になります。

内蓋に付いているパッキンは、長年の使用により劣化してしまいます。また、毎日取り外して洗うと、内蓋自身に傷が付いたり破損したりします。そのような状態になると、炊飯器本体と内蓋に隙間ができてしっかり閉まりません。

また、内蓋が正しくセットされていない場合も閉まらない場合があるので、ツメの部分が奥まではめ込まれているか・間違った場所にはめ込んでいないかをチェックしてください。さらに、内釜と本体の間にご飯粒や異物が挟まっていないか、内釜自体にゴミが付いていないかも確認しましょう。

内蓋のゴムパッキンが外れても焦る必要はありません。以下に取り付け方を紹介します。

1. ゴムパッキンの付いている面の裏面のビスをドライバーで外す
2. 内蓋を分解する(2つに分ける)
3. ゴムパッキンを分解した内蓋同士で挟み込む
4. 再度ビスを締め直す

内蓋が壊れた・割れた場合は、新しく内蓋の購入をおすすめします。また先述した通り、ゴムパッキン取り外し不可の内蓋でゴムパッキンが外れた場合も内蓋の購入が必要です。

また、パッキンは劣化するため寿命があります。寿命はそれぞれの使い方によって変わりますが、短いと2～3年で寿命がくるといわれており、炊飯器の品質にも影響を及ぼす可能性もあるため、交換時期を把握しておきましょう。

炊飯器の種類によりますが、価格は約2,000円から5,000円前後です。そもそも、内蓋のみの修理は受け付けていないメーカーも多いので、まずはお使いの炊飯器に内蓋のみの販売があるかを確認してください。

内蓋はメーカーのパーツショップに売られている場合が多いですが、実はECサイトでも購入できます。パーツショップは購入前に新しく会員登録が必要なので、手続きが面倒な人はECサイトを利用しましょう。

炊飯器の買い替え時が近い場合は、お手入れがしやすい商品を選ぶのも手です。以下にお手入れのしやすさで人気の商品を紹介しますので参考にしてください。

お米を炊くときに、うっかり炊飯器の内蓋をつけ忘れて炊いてしまうかもしれません。あわててしまいますが、結果として、普通にご飯は炊けて、炊飯器も壊れません。途中で気づいた場合は、電源を切ったり蓋を開けたりせずに、そのまま炊いてしまうのがベターです。

使うたびに洗う内蓋を食洗器で洗えたら便利だと感じますが、食洗器は炊飯器の内蓋や内釜には対応していません。食洗器洗剤に含まれる研磨剤や、50～80℃のお湯を噴射する食洗器内の温度変化によって、変色やひびなど少しずつ劣化する可能性があります。内蓋は食洗器は使用せず、手洗いをしましょう。

炊飯器の内蓋には、お米をおいしく炊いたり、蓋を清潔に保ったりする大きな役割があります。また、内蓋の汚れがひどかったり破損したりした場合は、放置せず新しいものに交換してください。内蓋の交換しやすさはメーカーで違いがあるため、炊飯器を選ぶときの目安にするのも1つの方法です。