炊飯器の水加減がわからない！米5合の水の量や目盛りの見方・量り炊き機能付炊飯器も

ボタン1つで簡単にご飯を炊ける炊飯器ですが、目盛りの意味やどれかわからないために「お米の芯が残ったまま炊けてしまった」など、水加減に失敗してしまったことはありませんか？

美味しいご飯を炊き上げるためにはさまざまな条件に合わせた水加減が必要で、意外と把握できていない方も多いでしょう。そこで今回は美味しいご飯を炊くための正しい水加減から量り炊き機能付き炊飯器まで、さまざまな方法をご紹介します。

また炊飯に失敗してしまったご飯を美味しく食べるための方法もあわせて解説します。1合や5合など合数ごとの正しい水加減も解説しますので、好みに合わせたご飯を炊くためにぜひ参考にしてみてください。

炊飯器にお米をセットする時は、内釜の目盛りに水位を合わせます。しかし中には複数の目盛りが密集し分かりづらいタイプであったり、さらに「〇〇米と〇〇米は3まで」などの注意書きがあるタイプであったりすると、わずらわしく感じる方もいるでしょう。

そこで炊飯器の目盛りの基本的な見方を解説します。「白米」「玄米」など目盛りが2つ以上並んでいる場合がありますが、大多数の人は白米を炊くので、通常は「白米」の目盛りに合わせて水を入れます。白米が5合(5カップ)であれば5の目盛りを目安に水位を調整します。

お米をより美味しく炊き上げたいなら、米に合わせて水加減を微調整することが重要です。お米1カップに対してどれくらいの水があればいいのか、新米や無洗米の場合はどう変わってくるのかなど、しっかり抑えておきましょう。

お米を炊く時の一般的な水加減の目安は、お米1に対し水1.1～1.2が基本です。

• 180cc(米の計量カップ)1杯分のお米→198～216ccの水

• 200cc(料理用計量カップ)1杯分のお米→220～240ccの水

   

また目分量で量る場合は、適当なコップ1杯分のお米に対し水分量は「1杯＋1/10～1/5杯」となります。

新米は水分が豊富に含まれているため、それまで古い米を炊いていた場合は、水の量を少し減らしてセットます。とはいえ極端に水を減らすわけではなく、お米1に対し水の量を1.07～1.1倍の間で好みにより調整します。

また、お米の品種によって水分含有量は異なります。新米の場合、1回目は実験のつもりで水加減を行い、様子を見て次回からの水分量を調整しましょう。

無洗米はお米の表面に残ったぬかをあらかじめ洗い流しているため、通常のお米よりも1粒がやや小さくなっています。そのため計量カップで無洗米をすくうと、白米よりも量が多くなります。水加減は通常より少し多めに見積もりましょう。

玄米・もち米は、計量カップですくうと白米と同じような量になりますが、水加減についてはかなり異なります。

• 玄米1合→306ml
• もち米1合→180ml

もち米は水を増やすとベタベタに炊き上がってしまうため、必要な水分量は玄米よりも少なくなっています。もち米を炊く時は、少し固めに炊く感覚で水加減を行います。

美味しいご飯を炊くために大切な水の量を、普通精米と無洗米それぞれ合数ごとに表にまとめています。ぜひ参考にしてください。

ごはんの固さにこだわりたい方は、微妙な水加減に気を付けながらお米を炊く必要があります。水の量を増やしたい時でも減らしたい時でも、「お米1に対し水1.3以内」を守ってください。

ごはんを固めに炊きたい場合は「お米1に対し水1」、柔らかめに炊きたい場合は「お米1に対し水1.3」といった具合です。もし1.3から大きく離れると、美味しく炊き上げることができません。

炊き込みごはんは、醤油・みりん・酒といった水分中心の調味料を使うため、液体の調味料も水分とみなします。また具材が足されることを考慮すると、5合炊く場合は「3～3.5合分のお米」＋「具材」＋「5合分の水・調味料」で炊くのが目安です。

またおこわを炊きたい場合はもち米を使用しますが、もち米は白米よりも吸水が早く浸水させる必要がありません。もち米1合に対して180ccの水を計量したら、炊飯器に入れてすぐに炊き始めることができます。

お米を炊く時、炊飯器の内釜の目盛りに合わせて水を入れる方が多いですが、これは水平な場所に炊飯器を置いていることが前提です。炊飯器の設置場所が傾いたまま水の計量をすると、米に対する水の量が狂ってしまいます。

内釜の左右に目盛りが付いているものであれば、左右で水の高さを比べ傾きを確かめることができます。もし傾いていたら下に布巾などを噛ませて水平にしましょう。

水加減の目安となる目盛りがない土鍋などは、水の量を計量カップできっちりと量ることがポイントです。そこでお米を美味しく炊く比率である「米：水＝1:1.1〜1.2」を基本として、以下のように計量し水を入れます。

• お米1合(150g)→165～180ccの水
• お米2合(300g)→330～360ccの水

1～2回炊いてみたら、その後は好みに合わせて微調整しましょう。

手元に計量道具が何もない場合でも、手や指を使って水を量ることができます。

• 手で量る

といだお米を釜や土鍋に入れたら、お米が隠れる程度の水を入れます。お米を押さえるように手を垂直に置き、手首の付け根あたりまで水が入るよう調整します。

• 指で量る

といだお米を釜や土鍋に入れたら、お米が隠れる程度の水を入れます。お米を触れるところまで人差し指を立てて入れ、人差し指の第一関節あたりまで水が入るよう調整します。

炊飯器には、炊飯に必要な水分量を計量できる「量り炊き」機能を搭載したものがあります。内釜に米を入れ「計量」ボタンを押すと、必要な水の量が表示される仕組みになっています。これは洗米によってお米に吸収される水の量を差し引いた数値です。

量り炊き機能を使えば目盛りをいちいち確認する手間がなく、またお米の食感にも大きな差が出ます。

固くなりすぎたご飯は、再炊飯機能を持った炊飯器で炊き直す方法があります。

ご飯2合に対して大さじ1程度の水または日本酒を加え混ぜ合わせます。次に炊飯器で5分ほど再炊飯を行い、炊飯が終わったら5分ほど蒸らして完了です。固くなり不足している水分を補うことにより、ご飯を柔らかくすることができます。

食べられなくはないがやや固めになったご飯は、チャーハンにうってつけです。固くなりご飯粒の粘り気が少ないことで、そのまま使えばお店のようなパラパラとしたチャーハンに仕上げることができます。

他にもやや固めのご飯を冷凍保存しておき、雑炊のような水分を吸わせる料理に使う方法があります。また洋風スープと粉チーズに冷凍保存したご飯を加えることで、リゾットにアレンジすることもできます。

水を入れすぎてベチャベチャに柔らかくなってしまったご飯は、お粥にして食べるのが無難です。

ベチャベチャになったご飯を鍋に入れ、ご飯1合に対し600ccの水を加え混ぜます。弱火で混ぜながら煮込み泡が出てきたら火を止め、蓋をして蒸らします。あとは好みの具材を添えて、塩などで味付けするだけです。

炊飯では、お米と水に熱を加えながらお米に水分を吸わせていきます。いくら美味しいお米を使っても、そのお米に吸わせる水分がいい加減では、お米本来の美味しさが発揮されません。お米には軟水が合うとされています。不純物による雑味のない軟水を使えば、お米の甘さや旨味を存分に感じられます。国産のミネラルウォーターはほとんどが軟水なのでおすすめです。

水道水を使う場合は、カルキ抜きをしておくとお米の味への影響する可能性を軽減できます。

米についた汚れを落としたいと考えるあまり、じっくり丁寧にすすぎを行う人は少なくありません。ですが、一番最初のすすぎは、お米が水を吸収する力が強く働きます。ゆっくり行っていると、お米の表面に付いたホコリや汚れも吸収してしまいます。最初のすすぎはなるべく手早く水を捨てるのが大切です。研ぐ工程は2回目以降のすすぎで行ってください。

お米を研ぐときに、炊飯釜をそのまま使っている人も多いかもしれません。ですが、乾燥したお米は、すすぎの時の水でも素早く吸収しようとします。炊飯釜でそのまま洗うと、底の方のお米だけが汚れた水分を吸収してしまいます。お米をざるに入れ、水を張ったボウルにくぐらせる方法なら、一度にすべてのお米を素早く遂げるのでおすすめです。

芯までふっくらとした美味しいお米を食べるためには、お米の吸水は非常に重要です。炊飯する前に一定時間水につけておき吸水させておけば、ふっくらとした炊きあがりになります。夏場などの暑い季節なら30分、冬場なら60分程度を目安に浸して置けば、美味しいお米が食べられます。

お米が炊きあがったまま放置してしまうと、お米同士がくっついて硬くなってしまいます。炊きあがりの一番いいタイミングでまんべんなくほぐしましょう。ただし、しゃもじでこねるようにしてしまったり、米粒を潰すようなほぐし方をしては台無しです。

お米をほぐすときは、しゃもじを垂直に立てた状態でまっすぐに差し込み、十字に切り4つのブロックに分けます。そして、4つそれぞれのブロックを、下からふわっと持ち上げるようにしてほぐしましょう。

普段とは違う種類のお米を購入した時や新米をいただいた時は、いつもと同じように炊飯器で炊いていいのか迷ってしまうこともあります。そんな時は、今回ご紹介した内容を参考に水加減をうまく調整して、よりご飯を美味しく仕上げることにこだわってみてください。