【徹底解説】炊飯器の予約機能とは？｜何時間まで大丈夫？お米を美味しく炊くやり方

ご飯は炊き立てが一番おいしいと思いませんか？しかし、時間がない朝や帰宅後にすぐ炊飯器をセットするのは大変です。そこでおすすめなのが、好きな時間に炊き立てご飯を食べられる炊飯器の予約機能です。

しかし、夏場に炊飯器の予約機能を使うと食中毒が心配と感じる方もいます。ところが、設定時間や少しの工夫で夏場でも安心して炊飯器の予約ができるので、忙しい日々の中でもおいしい炊き立てご飯を食べられます。

そこで今回は、炊飯器の予約の仕方や失敗しないためのコツを詳しく紹介します。夏の食中毒が心配な方、失敗してご飯が炊けていなかったり、べちゃべちゃのご飯になったりした経験からタイマー予約のやり方に苦手意識を持っている方必見です。また、保温したお米は何時間まで大丈夫なのか、予約前の何時間前からお米を入れておいていいのかなど特に多い疑問についての回答も参考になります。

炊飯器の予約機能を使うメリットは2つあります。

• 時間がない時でも炊き立てご飯を食べられる

夜のうちにお米を洗って炊飯器の予約をセットすると、朝ご飯に炊きたてのご飯を食べられます。また、朝に炊飯器の予約をセットすると、帰宅した後にすぐに食べられます。

• 電気代の節約になる

予約設定1回分の電気代は0.1円以下なのに対し、保温5時間の電気代は約2円かかります。すぐに食べないのであれば、炊いてから保温しておくより予約設定をしておくのをおすすめします。

炊飯器の予約機能を使うデメリットは2つあります。

• 設定を間違えると、炊けていない場合がある

「予約を設定していたのにご飯が炊けていなかった！」経験をした方も多いのではないですか。一度失敗してしまうと、予約をする気にならなくなってしまいがちです。しかし、失敗せずに炊飯予約ををする方法を後ほど紹介しますので、その情報を参考に予約機能を使ってみてください。

• 食中毒の心配がある

夏場に室温で水につけたままお米を放置すると、雑菌が繁殖し食中毒を起こす可能性があります。炊飯の熱によって多少の雑菌は死滅しますが、万が一を考えると心配に感じると思います。この点についても、夏でも予約機能を使用して炊飯できる方法として後述します。

まずは炊飯器本体の時刻設定が正しくないと、設定どおりの時間にご飯を炊けません。現在時刻が正しいか確認してみましょう。

1度正しく設定しているにも関わらず、すぐに時間がずれるようでしたら内蔵されているリチウム電池の消耗が考えられます。リチウム電池は、電源コードが抜かれている間に直前までの設定や時刻設定を記憶するために必要です。耐久年数は使用状況にもよりますが、4～5年です。

リチウム電池は個人で修理できない場合が多く、電気店やメーカーに修理依頼を出す必要があります。可能であれば、炊飯器の電源コードは入れっぱなしにしてリチウム電池の消耗をなるべく減らすといいです。電源コードを差しっぱなしにする待機電力の電気代より、修理依頼をして交換する金額や手間の方が大きいです。

予約しようとしても設定が完了できない場合は、予約時間までに炊飯が完了しない設定になっている可能性があります。たとえば、1時間かかる炊飯モードを行うのに、炊きあがり時間を30分後に設定している場合です。この場合は予約を行わずすぐに炊飯をスタートするか、炊きあがり時間を遅らせる必要があります。

また、設定時間に問題がないにもかかわらず、炊きあがりの時間が遅れる場合があります。この原因は水温や電源の電圧の影響を受けるためです。電源をタコ足配線にはせず単独で使用しておくようにしましょう。ただし、10分以上遅れるのが続くようでしたら、故障の可能性がありますので一度メーカーに問い合わせをおすすめします。

炊飯のメニューによっては予約機能を使えません。たとえば、早炊きは予約する時間の余裕があれば使用する必要はないはずです。この場合は、通常の炊飯で予約をします。その他にも、炊き込みご飯は予約機能を使えません。具材が傷んでしまったり、調味料が沈殿しておいしく炊けなくなるからです。

また、調味料がこびりつき、お釜のフッ素加工が剥がれてしまう危険性があります。調味料が必要以上にお米に吸収されてしまいしょっぱくなってしまうので、炊き込みご飯はセットしたらすぐに炊飯スタートをおすすめします。

さらに、残ったからと保温するのもNGです。なぜなら、予約セットと同じで調味料がこびりついて匂いの原因になったり、塩分により金属やパッキンにダメージを与えたりするからです。炊き込みご飯が余ったら、別の容器に移して冷蔵か冷凍保存しておきます。

おいしく食べられるのは一般的に9時間以内です。メーカーが推奨している予約時間は、お米を研いで炊飯器にセットしてから12時間までとなっています。

お米を長時間水につけたままにするとどうなるか気になります。食中毒を発生させる菌が繁殖する条件は、お米を吸水されているときの水分と栄養です。菌は10℃から60℃の温度帯で繁殖すると言われており、35℃前後が一番繁殖する温度です。つまり、夏のように水温が高くなる場合は8時間以上、冬は13時間以上つけたままにすると、お米の発酵によりにおいの原因になります。

つまり、夏場など水温が高くなる季節は、予約時間は長くても3～4時間は超えないようにするのがベターです。一般的にお米を夏場は30分、冬場は2時間水に浸しておくとお米をふっくらと炊き上げられますが、最近の炊飯器の炊飯モードには浸し時間も含まれているため、炊飯時間が約60分かかります。

一方、早炊きモードでは浸水時間が省略されているので約30分で炊きあがります。お米を浸す時間のために予約機能を使う必要はありません。

炊飯器の予約をしてご飯がべちゃべちゃになってしまう原因は、水温が高いからです。温度が高い水にお米を浸しておくと、お米のでんぷん質が水中に溶け出してしまうため、できるだけ冷やしておいた水に浸すか氷を入れるなどの工夫が必要です。

逆にお米の芯が残ってしまう場合は、予約とはあまり関係ありませんがいくつかの原因が考えられます。

1. お米が水に対して多かった（水加減）
2. 硬水のミネラルウォーターを使った
3. 洗米が不十分でぬかが残っていた
4. 炊飯器の設定で硬め設定に変更した
5. いつもと違う品種のお米を使う始めた

上記の5点にも当てはまらない場合は、炊飯器や内釜の劣化が考えられます。頻繁にお米の芯が残るようなら、修理や買い替えをおすすめします。

食中毒の大きな原因は、雑菌の繁殖です。水温18度以上で4時間放置すると雑菌が繁殖し始めます。そこで、4時間以内の予約時間に設定をおすすめします。雑菌が繁殖している際は、炊きあがったご飯の色や匂いに変化があるため、気になる場合はチェックしてください。

予約時間を設定するコツは、炊きあがり時間の前倒しです。要するに、予約時間は短く取り、保温時間を長めにするのがおすすめです。または、予約機能を使わず、お米を洗った後に冷蔵庫で吸水させておいて早炊きモードで炊飯します。

夏場にどうしても4時間以上の予約時間を設定して、炊飯器を使いたい場合もあると思います。4時間以上の予約時間を取る場合は、お米を研いだ後に氷を入れてからいつも通りの水量を入れてみましょう。氷が溶けるまでは水温が低く維持できるので、食中毒のリスクが高い18度以上の水温になるまでの時間稼ぎができます。

しかし、どうしても食中毒が心配であれば、夜のうちにお米を研いで冷蔵庫にお釜ごと保管し、朝起きてすぐに早炊き設定で炊飯してみましょう。早炊きだと30分前後で炊飯できますので、食中毒の心配なく朝の支度をしている間にご飯が炊きあがります。

また、お酢を加えるとお米が腐るのを防ぐ効果があります。味にも影響はないので食中毒の対策になります。お酢はお米1合に対して大さじ1/2が目安です。

炊飯器の予約を使いこなすと炊き立てご飯を好きな時に食べられます。きちんと設定をすれば、失敗してお米がべちゃべちゃになったり芯が残ったりしません。また、夏場は長時間の予約を行うと食中毒が心配ですがいつもより短めに設定したり氷を入れたりすれば安心して食べられます。