ガス炊飯器のおすすめ14選｜電気との違いは？どこで買う？リンナイ・パロマの比較も

以前はガス炊飯器が主流でしたが、現在は電気炊飯器が主流になっています。ガス炊飯器は商品数がずいぶん少なくなり、販売店も減っていますが、ガス炊飯器は今なお現役です。とくに東日本大震災以降、電気を使わない点から再び注目されるようになりました。

ガス炊飯器は高火力で、他の加熱方式の炊飯器よりおいしいご飯が炊き上がります。さらに、操作もスイッチ1つで簡単です。また、短時間で炊き上げるので家庭用だけでなく業務用にも適しています。長い歴史を誇る素朴なガス炊飯器ですが、どんな商品があり、またどこで買うのかご存じない方も多いです。

本記事では電気炊飯器とガス炊飯器の違いを比較し、実際に買うときに見ていきたいポイントを解説します。リンナイ・パロマのおすすめ商品も紹介しているので、ぜひ購入の際は参考にしてください。

ガス炊飯器と電気炊飯器の違いについて、よくわからない方もいらっしゃると思います。それぞれの特徴について解説します。

ガス炊飯器はガスを熱源とするため、電気は使いません。最大の特徴は、直火を使って短時間で炊き上げる点です。そのほかにも以下のような特徴があります。

• 直火で炊く
• 加熱は釜の底面からのみ
• 本体表面が高温になる
• 炊飯以外の調理に使える商品はない
• ガス管の近くに設置する必要がある
• 構造がシンプル

電気炊飯器は、ガスではなく電気を使って炊飯します。安全面に配慮した商品が多いのが特徴です。炊飯以外の調理に使える多機能な商品も多数あります。

• 多様な炊飯方法に対応する
• パン焼き・煮込み料理等にも使える商品もある
• 保温機能や炊き分け機能など搭載機能が豊富
• 置き場所の自由度が高い
• 本体表面が熱くなりにくい
• デザイン性の高い商品が多い

ガス炊飯器で炊いたご飯が美味しい理由は、お米を最初から高温で一気に炊き上げるからです。高温で炊飯すると、熱と水分によってお米の糊化を促進させます。米に含まれる澱粉から甘さ(ショ糖・ブドウ糖)を還元するのと同時に、もっちりとした食感に仕上げてくれます。

さらに、ご飯の美味しさは炊き上がったあとの『蒸し』の過程も重要です。ガス炊飯器の場合は、高温で熱するため釜が火を止めても冷めにくく、お米をしっかり蒸らせます。高温で蒸らすと、お米が水蒸気を十分に含むのでふっくらと仕上り、釜の中に余計な水分が残らず、べたつきません。

ガス炊飯器は高温で一気にお米を炊き上げるため、短時間で炊飯できるのもポイントです。ご飯が炊けるのを待つ時間をカットできるので、家事の時短にもつながります。最近では電子炊飯器の早炊き機能の性能が上がっていますが、早炊きでは味が落ちるのがデメリットです。

ガス炊飯器なら味や栄養素を損なわないので、美味しいご飯を早く食べられます。また、美味しさと炊飯の速さを両立したい飲食店やイベントなどの業務用での使用もおすすめです。

ガス炊飯器は、短時間で炊飯できて電気をほとんど使用しないため、コストを抑えられます。そのため、ランニングコストを抑えたい方にもガス炊飯器はおすすめです。ガス炊飯器で3合を炊くのにかかる費用は1回あたり5.2円ほどです。電気炊飯器は6.4円程度かかっているため、長期的にみると大きな差になります。

ただし、このデータは東京ガスの料金で試算されているため、使っているガス会社や電力会社によって料金は変わる点に注意しましょう。

ガス炊飯器の最大のデメリットは、製造しているメーカーが非常に少なく、選択肢がほとんどない点です。2023年現在ガス炊飯器を製造しているのは、リンナイとパロマの2社しかありません。市場に出回っている炊飯器でガス炊飯器が占める割合は10％程度です。

近年は多機能モデルも増えていますが、ガス炊飯器は基本的に搭載している機能は少なめです。炊飯以外の調理や米の銘柄によって炊き分けるなどの調理機能はありません。しかし、ガス炊飯器もタイマー機能やジャー機能(保温機能)を備えた商品はあります。これらの機能はあると便利なので、興味のある方はチェックしてください。

ガス炊飯器は熱源が電気ではないので、オール電化の住宅では使えません。オール電化の住宅でガス炊飯器を使う場合は、別途ガス工事が必要になります。オール電化住宅からガス併用住宅に変更する場合は、電気料金プランの解約費やガス工事費用がかかるので、できる限り高火力の電気炊飯器を探すのがおすすめです。

ガス炊飯器を使う上で気を付けるのは、ガス漏れです。しかし、ガス漏れはガス栓とガス管をきちんと取り付けていれば滅多に起こりません。それでもガス漏れが発生したら、以下のような対応をしましょう。

• 換気扇を回さず、窓を開けて換気する
• ガス栓を閉める
• 火気を使わない(ライター・マッチなど)
• 照明や家電などの電源スイッチを押さない

ガス炊飯器は「都市ガス用」と「プロパンガス用」に分かれています。購入する場合は、自宅のガスはどちらかきちんと確認しましょう。「都市ガス」と「プロパンガス」は、成分と熱量が全く異なります。適合しない炊飯器をつなぐと、全く使えなかったり、最悪の場合は事故や火災につながるので、必ず確認してください。

ガス炊飯器はガス管の近くに設置しなければいけないので、おのずと設置場所が限られます。ガス炊飯器の設置に最適な場所は以下の通りです。

• 炊飯器本体がきちんと収まる広さがある
• ガス管が近くにある
• 電源が近くにある(マイコン機能、ジャー機能付き商品の場合)
• 蓋を開けた時・内釜を取り出す時に充分な作業スペースがある
• 本体から壁まで充分な距離がある

炊飯器本体と壁の間に取るべき距離は、製品ごとに指定されているので、購入時にご確認ください。壁の材質等によっては別途、防熱板が必要になる場合があります。

炊飯器は、1度に炊けるお米の量の確認が大切です。食べる量によっても変わりますが、基本的には「家族の人数+α」で決めます。1人1食あたり0.4合として計算すると、4人家族なら1食で3合炊ければ十分足ります。しかし、まとめて炊く場合やご飯料理がメインになる献立も考慮すると、4人家族なら5.5合サイズがおすすめです。

家族の人数別に適切な炊飯容量をまとめたので、参考にしてください。

ガス炊飯器にも便利な機能を搭載した商品が増えてきました。保温機能・タイマー機能だけでなく、炊飯メニューを選べる商品もあります。炊飯メニューを選べる商品は、普通の米飯だけでなくお粥・炊き込みご飯もスイッチひとつで手軽に炊けるのでおすすめです。

しかし、炊飯器は多機能になるほど本体価格は高くなります。なるべく費用を抑えたいなら、不要な機能を搭載していない炊飯器を選びましょう。

ガス炊飯器は使用後のお手入れと、定期的に行うメンテナンスの両方を行わないといけません。使用後のお手入れは非常に簡単で、内釜・内フタ・露受け・蒸気口を取り外して洗います。洗いやすさを考慮して、これらのパーツの脱着が簡単な商品を選びましょう。また、メンテナンスの内容は、以下の通りです。

• ガス管がきちんと接続されているか
• ガス漏れしていないか
• パーツの破損はないか、正しくセットされているか

ガス炊飯器は正しく使用しないと、とても危険です。誤った使い方をすると、思わぬ事故につながるので、注意すべき点をご紹介します。ガス炊飯器は直火を使用するため、バーナー部や炊飯器の下に、しゃもじや箸などがないかをチェックしてください。

また、温度センサーが汚れているとセンサーが温度を検知できず、温度が上がり過ぎてしまう可能性があります。ガス炊飯器は壁から離しての設置が必要なほか、場合によっては防熱板の設置が必要な場合があるため、販売店などに設置方法を相談するのがおすすめです。

ガス炊飯器を使用するのに向いているのは、毎日たくさんお米を炊く方や時短調理をしたい方です。高い火力で一気に炊き上げるので味もよく、冷めてもパサつかずに美味しいので、お弁当をよく作る方にも向いています。ただし、ガス栓が近くにないと使えないため、設置スペースが限られてしまいます。導入を検討中の方は必ずガス栓と設置場所の確認をしてください。

ガス炊飯器の設置は自分で行えます。設置する際は、ガスコードとガス栓の種類をよく確認しましょう。以下にガス炊飯器の基本的な設置手順を紹介します。

1. ガスコードを用意する
2. ガス栓の形を確認する
3. ガスコードを炊飯器本体に差し込む
4. ガス栓の形状に応じた差し込み方で、ガスコードを差しこむ

ガス栓の形状によっては、ガスコードに別途の専用プラグが必要です。ホースを取り付ける際は「カチッ」と音がするまで、しっかり差し込みます。実際に設置する際は、説明書をよく読んでその指示に従ってください。

ガス炊飯器を購入するならネット通販がおすすめです。さまざまなモデルから比較・検討できるネット通販であればご自身に合ったガス炊飯器を見つけやすいです。家電量販店・ホームセンターなどでも販売されていますが、需要も少ないので取扱数は多くはありません。店舗によっては取り扱いがない場合もあります。

また、東京ガス・大阪ガスなどガス会社でも販売しています。ガス配管の相談がしたい方はガス会社で買うのもおすすめです。

ガス炊飯器は、短時間で美味しいご飯が炊き上がります。シンプルで素朴な感じがするのも魅力ですが、年々は多機能な商品も増えています。ガス炊飯器を導入して、毎日おいしいご飯を堪能しましょう。